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活動状況

9月例会開催報告

平成24年9月12日(水)に、周南市のホテルサンルート徳山において、例会を開催しました。

1.演題:産学官・産産連携こそ地方活性化の起爆剤

  • ・講師

九州工業大学長 松永 守央 氏

  • ・概要

日本には高品質を支える企業群が存在しており、世界中の高品質の製品は日本なくしては生産できない。一方で、円高や高い法人税、少子高齢化などの多重苦に直面している。
 日本はものを生産して輸出する経済により成立する国である。世界のどこの企業も作れないものを作り、それを海外に輸出してそれで儲けたお金で周辺の企業が潤うようなシステムが必要である。
 北部九州と山口県は、素材型から複合型まで産業構造を支える企業が多数あり高度なものづくりの拠点となっており、横の連携が重要である。
 企業の意思決定のスピードが遅いことが日本の弱点であり、トップダウンが必要。意思決定の速さが中小企業の強みであり、時代の変化を察知して機敏に対応することが必要である。
 地方活性化のためには、地域における産業界と連携した人材育成が重要であるとともに、戦略的な産学官連携が絶対に必要である。これからはさらに金融機関との連携も極めて重要になると考えている。

2.演題:山口大学における産学公連携支援体制等取組事例の紹介

  • ・講師

九州工業大学 産学連携推進センター知的財産部門長中村 邦彦 氏

  • ・概要

山口大学の産学公連携の取組みは、種を撒くところから刈り取り後までの総合的な支援を行っている。山口大学には産学連携のワンストップ窓口を置いているので何かあったら連絡して欲しい。
 山口大学は、全国地域貢献度ランキング(日経グローカル誌)で全国6位にランキングした。共同研究の相手方には、大企業や県外企業の割合が大きいが、これからは県内の中小企業を伸ばしていきたい。
 地域連携の新たな枠組み作りとして、宇部市や山口市での地域ブランド作りなど、工学部だけでなく経済学部や人文学部も参画して行っている。また、ライフサイエンス分野では、医学部や農学部の先生の研究開発を支援する取組を行っている。
 山口県の強みである素材型企業群を核として、環境低負荷型・高付加価値の部材分野を重点領域とする「やまぐちグリーン部材クラスター」では、中核研究機関として研究開発やイノベーション創出に向けた支援活動を行っている。
 平成24年4月には、地域の産学公連携強化を目的としてやまぐち産学公連携推進会議が創設された。やまぐち産業振興財団や山口県産業技術センターのコーディネーターとの情報一元化により、地域で効率的・効果的な産学連携の推進を行っている。

3.演題:九工大の特許技術シーズの紹介/すごいぞニッポン!

  • ・講師

九州工業大学 産学連携推進センター知的財産部門長中村 邦彦 氏

  • ・概要

九工大の特許技術シーズの中から、高性能バイオマス・プラスチックコンポジットや超小型衛星試験センターなど、産学連携で事業化につながっている技術シーズを7つ紹介。
 大学のシーズと企業のニーズをマッチングさせるための仕組として、大学特許データベース(J-STORE)を活用して欲しい。検索の結果、必要とするシーズが九州工業大学にあった場合には、九州工業大学か北九州TLOにご照会をいただきたい。
 すごいぞニッポンでは、日本は、世界一の長寿国で、一人当たりの金融資産も世界一である。排他的経済水域は世界6位、海岸線の長さも世界6位であるが経済的価値のある海岸線では実質1位である。文化面でも中国等の近隣諸国に影響を与えている。
 レアメタル等の海底資源や都市鉱山、地熱ポテンシャル等の資源にも恵まれている。日本近海のメタンハイドレートの埋蔵量は、日本で消費される天然ガスの約100年分と言われている。
  日本の産業は衰退したと言われているが、半導体製造に関する原料、装置に関して依然として世界の主要シェアを有している。4輪、2輪関連でも世界トップ企 業が多い。スーパーコンピューターも世界一を取り戻した。今後有望視される分野であるi-PS細胞や小惑星探査機の分野でも高く評価されている。
 三菱総研理事長の小宮山氏によると日本が成し遂げた世界史に残る偉業とは、世界に先駆けて公害とエネルギー危機を克服してきたことである。他の国では21世紀に答えを出さなければならない問題を日本人は解決してきたことを誇りにしなければならない。

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